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まもなく2017年も幕を閉じようとしている。今年もスタジアムやアリーナの整備では様々な事業が顕在化。新設、改修などで官民の動きは例年以上に活発だった。2019年から国際的な大規模スポーツイベントが相次ぎ開催されることもあり、大会に備えたプロジェクトは本格化。地域活性化やまちづくりの方策として、計画の具体化を目指す取り組みも増えている。本紙に掲載した主なスタジアム、アリーナ関連の記事を紹介する。(カッコ内は新聞掲載日、画像提供元など)
沖縄県/サッカーJ1規格スタジアム建設/16年度末に基本計画策定
沖縄県は、サッカーJリーグ1部(J1)規格のスタジアムの建設に向け2016年度末をめどに基本計画を策定する。
スタジアム以外の機能を複合化することも検討しており、施設の機能や規模、事業手法などと併せて基本計画に盛り込む予定。17年度の補正予算に関連事業費を盛り込み、基本設計に着手する見通しだ。(1月13日)
さいたま市ら協議会/美園地区都市デザイン方針素案/埼スタ中心に交流拠点づくり
さいたま市などで構成する「みその都市デザイン協議会」は、さいたま市の美園地区を対象とした「みその都市デザイン方針」の素案をまとめた。サッカー専用の埼玉スタジアムを中心に、にぎわい・交流拠点づくりに取り組むほか、新駅設置に対応して公園内の空間配置を見直す。綾瀬川の護岸や堤防上の遊歩道の整備、環境やエネルギーといった面でモデルとなる住宅街区の形成も進める。主要地区で景観協議の仕組みを取り入れるなどデザインマネジメント体制も構築する。(1月25日)
香川県/新県立体育館基本計画策定業務(高松市)/石本建築事務所に
香川県は、1月30日に一般競争入札を開札した「新香川県立体育館基本計画策定業務委託」の落札者を150万円で石本建築事務所に決定した。新体育館は22年開催の全国高校総合体育大会の会場として使用する予定。(2月1日)
東京都町田市/野津田公園陸上競技場大規模改良/5000席増設、19年度着工へ
東京都町田市は野津田公園内にあり、Jリーグ・FC町田ゼルビアが本拠地として使用している市立陸上競技場の観戦席を5000席増設する。
公園を所管する都市づくり部公園緑地課によると、2020年度の工事完了に向け2017年度予算案に関連業務の経費を計上。測量や調査などを行った上で基本設計に入り、2019年度に着工する予定だ。石阪丈一市長が8日の定例記者会見で明らかにした。(2月10日、写真提供:町田市)
埼玉県/大宮公園など3公園再整備/グランドデザイン検討、17年度に検討委設置
埼玉県は2017年度、大宮公園(さいたま市大宮区)など3公園(約68ヘクタール)の再整備に向けたグランドデザインの検討に乗りだす。大宮公園と、近接する第二公園、第三公園が対象。造園の専門家や、民間事業者、行政機関などで構成する検討委員会を設置する予定。大宮公園は一部施設の老朽化が進んでおり、今後のあり方について一体的に探っていく。 大宮公園には体育館や小動物園、日本庭園、野球場、水泳競技場、陸上競技場・双輪場、ボート池、サッカー場「NACK5スタジアム大宮」、売店などがある。(2月20日)
岩手県釜石市/釜石鵜住居復興スタジアム建設/大成建設JVに
岩手県釜石市は、2019年のラグビー・ワールドカップ日本大会に備えて建設する「釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)」の指名競争入札を行った結果、18億5000万円で大成建設・新光建設特定JVに決めた。
基本・実施設計は梓設計が担当。施設の収容能力は1万5000人以上を確保する計画。施設規模は未定だが、都市公園法の許容建ぺい率が12%のため、建築面積の上限は1万0800平方メートル、建築可能な延べ床面積は18万平方メートルとなる。(3月6日、パースは完成イメージ、提供:釜石市)
沖縄県沖縄市/多目的アリーナ実施設計/梓設計JVに
沖縄県沖縄市は、施工予定者が設計を支援するECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)方式を採用する多目的アリーナ施設の実施設計の委託先を選ぶ「(仮称)沖縄市多目的アリーナ施設等整備実施設計業務委託」の公募型プロポーザルで最優秀提案者に梓設計・創建設計事務所・アトリエ海風JVを選定した。契約額は2億0200万円。業務履行期限は12月28日。プロポーザルの参加は1者だった。(3月7日、パースは完成イメージ、提供:沖縄市)
京都府/京都スタジアム運営権PFI導入可能性調査業務/PwCアドバイザリーに
京都府は9日、「京都スタジアム(仮称)運営権PFI事業導入可能性調査業務」の委託先を選ぶ公募型プロポーザルで、PwCアドバイザリーを受託候補者とする選定結果を公表した。
同スタジアムの整備に当たり、収益性向上につながる複合機能化や「公共施設等運営権」制度の導入などに関する検討を行う業務で、今後は同者との協議がまとまり次第、契約を締結する予定だ。(3月10日、パースは完成イメージ、提供:京都府)
横浜スタジアムら/横浜スタジアム増築・改修/事業費85億円、11月着工へ
横浜スタジアム(岡村信悟社長)と横浜DeNAベイスターズ(同)は15日、横浜スタジアム(横浜市中区横浜公園)の観客席を6000席増設するなどの改修計画を発表した。
施設の老朽化と収容人数不足に加え、同スタジアムが2020年東京五輪で野球・ソフトボールのメイン会場となることなどを踏まえた改修事業で、横浜市などとの調整が順調に進めば11月ごろに着工。2020年2月までの完成を目指す。事業費は約85億円。設計・施工は清水建設が担当する予定。(3月17日、パースは完成イメージ、ⓒ...