2017年12月25日月曜日

【回転窓】パンダに負けないアイコン力を

東京・上野動物園で6月に生まれたジャイアントパンダのシャンシャンが一般公開された。観覧初日(19日)の抽選倍率は46倍というからその集客力に改めて驚かされる▼パンダの魅力は、愛くるしいしぐさやドジにも見える憎めない姿などいろいろあるが、それらが凝縮された白い丸顔に黒いたれ目と黒い耳という誰もが描くイメージも大きい。いわばパンダの「アイコン」(象徴的なもの)である▼内容や機能を図や絵に記号化して表現するアイコンという言葉は最近、建築や都市の分野にも広がり、「アイコン建築」や「都市アイコン」などと使われる。一例が「新しいシンガポールの都市景観のアイコンとなる建築デザイン」という要件で発注されたマリーナベイサンズ▼港を囲んでマーライオンと対峙(たいじ)する姿は、シンガポールの都市イメージを代表する風景だ。世界の多くのメディアに取り上げられた結果、都市を象徴するアイコニックなデザインが巡り巡ってシンガポールの観光産業の振興を下支えしている▼力強いアイコンで都市や地域の魅力を発信する。そんな役割が建築や都市のデザインにも求められている。

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