都市再生機構西日本支社と京都女子大学による共創事業「洛西ニュータウン団地リノベーションプロジェクト」で、洛西新林団地(京都市西京区)を対象とした新プラン2住戸が完成した。
若い女性の視点と、学生ならではの自由な発想で団地の未来を考える設計コンペの優秀作品を具現化したもので、機能性やデザイン性などを追求した個性豊かな住戸に仕上がった。
洛西ニュータウンは京都市中心部から約10kmに位置し、都市機構が6団地を管理。多様化するニーズに応える新たな試みを模索する中で、京都女子大学家政学部生活造形学科の井上えり子准教授の指導の下、13年5月にプロジェクトを発足。女子大生と都市機構が共に創り上げる「共創」スタイルにより、これまでに12プラン60戸のリノベーション住戸を供給してきた。
今年で3回目となる設計コンペの対象は、洛西新林団地内3DKタイプ55㎡の住戸。応募25作品の中から、4回生の上田静夏さん・植田真奈さんが提案したプラン「こころ つながる 暮らし」が学長賞に選ばれた。
子育てを考える若い世代をターゲットに、キッチン周りに子供の勉強や料理のお手伝いにも使える夫婦のワークスペースを設け、自然と家族が集まる空間を創出。寝室+DENは床材を変えて空間を分けるなどの工夫を凝らした。
優賞賞には、3回生の佐々木菜緒さん・辻貴子さんが共働きの夫婦をメインターゲットにしたプラン「ゆとりと暮らす家」が選定された。料理や収納、洗濯の家事動線を整えるなど、ゆとりある暮らしを生み出す工夫を随所に取り入れた。
学生たちは毎週のように施工現場に足を運び、都市機構の職員や施工業者らと意見を交わし、限られた予算の中でプランの忠実な実現にこだわった。
22日に行われた内覧会では、学生たちがコンセプトやこだわった点、苦労した点などを熱く語り、「実際に施工現場に参加し、家をつくることの大変さを学んだ」「まるでわが子のようで手放すのが惜しい」など、プランに込めた思いが具現化された住戸に満足した様子だった。
18年1月27日から2月3日まで一般公開され、2月4日に申し込みを受け付ける。
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