2017年12月19日火曜日

【記者手帖】地方に広がる違う景色

例年にない早い冬将軍の襲来で、日本列島はこのところ西高東低の冬型の気圧配置が続いている。北日本や日本海側の地域は降雪や強風、太平洋側の地域は乾燥した晴天。北陸地方は山沿いの地域を中心に早くも大雪になっている◆建設業の景況も、北陸地方は晴れの地域に含まれているとはいえない。東日本建設業保証が11月に発表した取引企業の16年度決算分析を見ると、北陸3県(新潟、富山、石川)のうち、新幹線延伸とそれに伴う道路や施設整備が進む石川は堅調だが、新潟、富山に本社を置く企業の売上高経常利益率は前年度を下回った◆同社の前払金保証実績から見た17年度上半期の公共工事請負金額も新潟、富山の2県は平成に入って最少を記録。両県建設業協会会員の17年度上期の受注高も前年同期を下回っている◆主要ゼネコンの17年度上半期決算では「最高益を更新」といった言葉が踊った。そうした景気の良い話を北陸の建設業で働く人たちはどう感じているだろうか。地方には大手の業績とは違う景色が広がっていることを多くの人に知ってもらう必要がある。(石)

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