2017年12月6日水曜日

【整備費試算は190億~260億円】広島県ら3者、スタジアム建設構想で3候補地比較検討

 広島県、広島市、広島商工会議所は、サッカースタジアムの建設候補地となっている「広島みなと公園」「旧広島市民球場跡地」「中央公園広場」の比較検討内容を公表した。概算事業費については、中央公園広場が約190億円と最も低くなっている。今後、県民、市民の立場で長期的なまちづくりの観点などから検討を行い、さらに3者で評価。サンフレッチェ広島の意見も聞きながら候補地を絞り込んでいくとしている。

 建設候補地は、広島みなと公園(約10ヘクタール)、旧広島市民球場跡地(約3・9ヘクタール)、中央公園広場(約7・9ヘクタール)。3万人規模、スタジアム標準に準拠、下部構造は杭の長さをみなと公園は38メートル、市民球場跡地と中央公園広場は24メートルで検証-を前提条件に比較検討した。

広島みなと公園での整備イメージ
広島みなと公園は、アクセスの利便性は向上しているが、輸送力に課題があり、一時的な大量の観客の輸送について対策が必要、臨時駐車場の設置が必要となるとともに、渋滞による周辺の物流拠点への影響の抑制が必要。規模に関する要件では、3万人は確保でき、さらに拡張の可能性もあるとした。多機能化・複合化についても、スタンド下の余剰スペースを活用した多機能化が可能とし、敷地内にホテルやMICE(国際的なイベント)施設などの複合施設が設置でき、集客やにぎわいの創出が期待できる。
旧広島市民球場跡地での整備イメージ
旧市民球場跡地は、市内どこからでも行きやすく、多量の輸送にも対応できる。しかし3万人規模を確保するには7・3メートルの掘り込みをしなければならず追加費用が必要となる。多機能化・複合開発では、スタンド下の余剰スペースが十分確保できないため多機能化は制限される。また敷地が狭く複合開発は不可能とした。
中央公園広場での整備イメージ
中央公園広場は、アクセスも良く敷地に制約がないため、3万人規模は確保できる。しかし北側の住宅に対する日影規制への適合が必要となる。多機能化・複合開発については、スタンド下の余剰スペースを活用した多機能化が可能で、広場の魅力を向上するための整備等を行うことで、サッカー以外でのにぎわいの創出が期待できる。

 概算事業費は、広島みなと公園が約192億円(スタジアム本体約180億円、歩道橋等整備約12億円)、旧市民球場跡地が約260億円(本体約160億9000万円、掘り込み関連費用約99億4000万円)、中央公園広場が約190億円(本体約172億円、歩道橋等整備約12億円、広場の再整備等に必要な経費数億円程度)と試算した。

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