鹿児島市が設置した「サッカー等スタジアム整備検討協議会」(会長・井上佳朗鹿児島大学特任教授)は、都心部に新たなスタジアムの整備が必要とする提言をこのほどまとめた。
スタジアムには収益性や公益性がある複合用途を組み合わせ、整備や管理運営では民間のノウハウなどを生かした手法が望ましいとした。18年1月に市長に提出する。
提言では屋外プロスポーツの観戦環境が整った市内唯一の施設である県立鴨池陸上競技場が恒常的な利用過多であり、サッカーJリーグ2部(J2)以上の施設基準を満たしていないことなどを指摘。
これらを踏まえ、地域のスポーツ振興やJ3に所属する鹿児島ユナイテッドFCのチームとサポーターのモチベーション向上、新たなシンボル・にぎわいの創出などを図るため、新たなスタジアムが必要とした。
Jリーグの施設基準(J1)を想定した場合、先進事例を参考にすると2万5000平方メートル以上の敷地面積が必要とし、立地条件には集客性や収益性が高く、地域の活性化が期待できる都心部が最も望ましいとした。
スタジアムの機能についてはピッチに近くバリエーション豊かな観客席、VIPルーム、大型ビジョン、食の充実、イベントなどに対応できるコンコース、災害時の危機管理に備えた仕様、ピッチの多目的利用を視野に入れたハイブリッド芝、多目的活用スペース、展望デッキなどを挙げた。
スタジアムと組み合わせる複合的な用途として年間を通じて稼働率が高く、収益性または公益性があるものが望ましいとし、想定されるコンセプトに健康、運動、エコなどを例示した。
整備や管理運営の手法についてはコスト面ではDB(設計・施工)方式やDBO(設計・施工・運営)方式、PFI、負担付き寄付方式、民間経営などが望ましいとし、可能な限り民間の資金やノウハウ、経営感覚を生かすことを前提に、地域の実情に応じて最も適した手法を選択するのが望ましいとした。さらに立地場所に関しては慎重に検討し「専門的な見地から調査を行うことが望ましい」と付言した。市は提言を受けさらに議論を深めるかなど今後の対応を検討する。
0 comments :
コメントを投稿