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Jヴィレッジ再整備の全体イメージ(提供:福島県) |
2019年4月の全面営業再開に向け復興・再整備事業が進むJヴィレッジ(福島県楢葉町)の近接地に鉄道駅を新設する動きが具体化した。福島県と双葉地方町村会、JR東日本の3者は22日、新駅事業の基本事項を定めた覚書と調査検討の協定書を交わした。新駅は常磐線の広野駅(福島県広野町)~木戸駅(同楢葉町)間が候補地。最終的な事業実施は調査検討の結果を勘案して三者で判断する。費用は各社が負担することを基本に協議する。
Jヴィレッジは1997年にオープンした国内初のサッカーナショナルトレーニングセンター。2011年3月の東日本大震災後、全面閉鎖され福島第一原発事故処理の前線基地として使用された。東京電力が基地機能を原発構内に移動。2015年1月に福島県や福島県電源地域振興財団らが「新生Jヴィレッジ復興・再整備計画」を公表した。2016年2月には新たに整備する施設の概要を明らかにするなど、2019年4月の全面営業再開に向けプロジェクトが進む。
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新宿泊棟の外観イメージ(提供:福島県) |
「Jヴィレッジ復興・再整備基本設計業務」は梓設計が担当。7面の天然芝ピッチと2面の人工芝ピッチ、総天然芝の5000人収容スタジアムのほか、全天候型サッカー練習場、新宿泊棟などを整備する。福島県が設計・施工一括で発注した「全天候型サッカー練習場新営工事」は、前田建設・佐藤総合計画JVが20億0880万円で受注。福島県電源地域振興財団発注の「Jヴィレッジ新宿泊棟新営工事」は、設計・施工一括で安藤ハザマが19億2600万円で受注した。
工期は全天候型サッカー練習場が2018年8月31日まで、新宿泊棟が同7月20日まで。同財団は工事以外に「Jヴィレッジ復興・再整備コンストラクションマネジメント(CM)業務」を明豊ファシリティワークス、「Jヴィレッジ新宿泊棟新営工事監理業務」を清水公夫研究所に委託している。東京電力も既存施設の原状回復工事を別途発注した。施設規模は全天候型サッカー練習場がS造2階建て延べ1万0258㎡、新宿泊棟がS造7階一部8階建て延べ5343㎡。
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全天候型サッカー練習場の外観イメージ(提供:福島県) |
営業再開に向け準備が進む中、福島県と双葉地方町村会は11月、JR東日本に対して新駅設置の要望活動を実施。12月19日までにJR東日本から「新駅の設置に向けて検討を開始する」との回答があった。Jヴィレッジは2018年夏からの一部再開(既存建屋リニューアルオープン、新宿泊棟オープン、南フィールド再開)、2019年4月からの全面再開(北フィールド・スタジアム再開、全天候型サッカー練習場オープン)を予定している。
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