2017年12月11日月曜日

【回転窓】本物の体験を思い出に

先日、久しぶりに都内屈指の観光スポット浅草を訪ね、国内外の観光客でにぎわう下町の活気を味わった。すれ違う人の多くが外国人で、旺盛なインバウンド(訪日外国人旅行者)需要を目の当たりにした▼今年の訪日旅行者数は11月4日時点で昨年の2404万人を超え、足元も順調に伸びているようだ。2020年までに4000万人、30年までに6000万人という目標を達成するためにも受け入れ環境の整備を急がなければならない▼世界では旅行の形態が団体旅行から個人旅行へ、消費がモノからコトへと移行しているという。国土交通省は「楽しい国・日本」の実現を目指し、観光資源の体験メニュー拡充や体験満足度向上のための方策を検討中。来年3月に提言をまとめる▼インバウンド需要を地域に呼び込むには、外国人が訪れたくなる地域を目指して魅力を磨くこと、併せて交通利便性の向上や公共交通ネットワークの構築も欠かせないだろう▼寒空の下、浅草の街を夏の浴衣で闊歩(かっぽ)する外国人の姿には驚かされた。気軽に日本文化に触れる機会を増やし、本物の体験を日本の思い出として持ち帰ってほしい。

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