東京都は14日、2020年東京オリンピック・パラリンピックに備え、中央区晴海で進めている選手村整備の進ちょく状況を明らかにした。
現場周辺の生活環境に配慮して行っていた掘削土の海上輸送は10月14日までに完了し、計30万m3の土砂を運搬。現在は建築物の地下躯体を施工中で、地上付近まで躯体が構築されてきた街区もある。選手村に付随する仮設施設の整備スケジュールも併せて公表した。
選手村の建設地は中央区晴海5。都施行の再開発事業として五輪開催までに選手の宿泊施設となる14~18階建ての住宅棟21棟と、商業棟1棟を整備する。五輪後にはすべての住宅棟を分譲・賃貸マンションとして改修するほか、高さ180mのタワーマンション2棟も追加整備する計画だ。
住宅棟建設のため海上輸送した土砂は、10tダンプで約5万2000台分。躯体工事では、地上で組み立てた鉄筋をクレーンで所定の位置に降ろし、コンクリートを打設する作業などを繰り返している。都都市整備局市街地整備部の担当者によると、年明けには一部地上躯体の工事が本格化する見通し。
再開発事業の工事発注を担う特定建築者は、三井不動産レジデンシャルを代表とするグループが担当している。住宅棟の工区は五つに分かれ、「5-3」を東急建設(共同設計者=日建ハウジングシステム)、「5-4」を長谷工コーポレーション(同=日本設計)、「5-5」を前田建設(同=三菱地所設計)、「5-6」を三井住友建設(同=日建ハウジングシステム)がそれぞれ施工中だ。
RC造地下1階地上4階建て延べ2万9500㎡の商業棟を整備する「5-7」では、三井住友建設が既存施設の解体を進めている。本体工事の設計は日建設計が担当し、18年7月にも着工する。5日には、東京労働局を中心とした官民合同の現場パトロールが前田建設の工区で行われ、年末と来年に向けて現場管理者と作業員らが安全意識を高めた。
五輪期間中には宿泊棟・商業棟に加え、近接する空き地(学校建設予定地)や、晴海客船ターミナルなどに東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の発注で付随施設が仮設される。18年内にはすべての実施設計に着手する。仮設のバス発着場と、晴海客船ターミナルに設ける選手向け利便施設の完成は20年4月を想定。19年3月には仮設倉庫、同12月にはその他の運営施設・利便施設の設置を終える。
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