◇保険事業と資格制度を両輪に活動◇
日本外壁仕上業協同組合連合会(NGS、野口陽一会長)は、外壁の吹き付け工事をメインにした企業で構成する組織で、資格制度と補償保険制度を2本柱に活動を展開している。現在200人弱の資格保有者がいる登録外壁仕上基幹技能者は、一定の実務経験とNGSが認定する外壁仕上一級技能者であることが条件。年平均50人ほどのペースで取得者を増やしていきたいと考えている。
連合会傘下の組合は、「東日本」「近畿」「愛媛県」「福岡」の4組合。塗装工事業、左官工事業、防水工事業などの資格を持って吹き付けを専業とする会社と兼業で活動する会社に二分される。
一級技能者資格で一定レベル以上の技能を持っていること、登録基幹技能者資格で工程管理、品質管理、安全管理なども手掛けることをそれぞれ証明する。国土交通省が登録基幹技能者を主任技術者として位置付ける制度改正を行うことにより、「元請の技術者と直接話し、現場をリードできるような人材になることを期待したい」と野口会長は話す。
会員企業が元請として工事を受注するようなケースでは、登録基幹技能者の資格保有が有利になるようなケーもあり得る。それを見越して積極的に資格取得に取り組む意思を示す会員企業もあり、「東京で行われた講習に山形から参加したいという声もあった」(野口会長)という。こうしたニーズの高まりを受け、現在は2年に1回行われる講習を毎年開催にするなど、資格取得にチャレンジする人たちを考慮した対応も検討していく考えだ。
◇基幹技能者、年50人増めざす◇
吹き付けによる外壁仕上げの仕事は、左官やタイルなどの施工が終わった後、現場の最後の仕上げとして行われるのが一般的。会員各社の施工が終わると、後は足場が解体されることになる。屋外作業でしかも現場の最後となる職種の性格上、雨天などが続くと工程のしわ寄せを最も受けることにもなる。
建設業全体で土・日曜に現場を閉所する週休2日を目指す活動が加速する中、野口会長は「悪天候が続く場合、土日が休みになると、吹き付け工事の日程を組むのが難しくなる」と指摘。働き方改革を進めるための工程管理を行う上で、「1カ月の中で最低限働ける日数を確保してもらいたい」と訴える。
保険事業は、補修工事などを元請として施工する場合に、施工後何年間かの補償を行う制度。建設産業専門団体連合会(建専連)の「専門工事業総合補償制度」を活用して所属企業の施工を補償し、顧客の安心を確保できるようにする。資格制度と保険事業を両輪とした活動を通じ、吹き付け業界の活性化を図る。
専門職としてプライドを持って働く仲間をNGS活動に誘いながら、賛助会員を含めて150社の組織の増強を目指している。若い人材の確保に向け、吹き付けガンを持ち込んで施工のPRができるようなことが可能かどうかも摸索していきたいとしている。
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