2017年12月11日月曜日

【凜】東京都建設局河川部防災課・坂井智美さん


 ◇水害から地域守る使命を実感◇

 3年前から、台風や集中豪雨などが発生した際の水防情報の収集・発信業務に当たる部署の一員に。「都の送る情報が、区市町村の避難勧告などの判断に直結する。降雨の多い時期は毎日が緊張の連続」とこれまでの経験を振り返る。

 日々の情報収集は、東京都水防災総合情報システムや河川の監視モニターなどを集約した防災対策室で行っている。川の監視は24時間体制。災害時に取り扱う情報量も膨大で、「情報処理の速さと正確性は組織運営に不可欠。雨や水位の状況によっては、事務所も含め200人規模で監視する場合もある」という。

 今でこそ、業務全体の流れを把握し、主体的に対応できるようになったが、初めは上司や先輩の対応に付いていくので精いっぱいだった。自分の考えや意見に自信を持てるようになったのは3年目に入ってから。「まだ完璧ではないし、重圧は変わらない。それでも、地域の安心・安全を守ることがどういうことか、実感を持って過ごせている」。

 いつかは河川工事の現場監督も担当したいと考えている。水防業務を通じ、良い川づくりにはソフト・ハードどちらの対策も重要だと強く感じたからだ。「人と自然と川。その組み合わせが好きだし、魅力的だと思う。現場の視点や考えをもっと学びたい」。目の前の課題や困難をステップに、河川のスペシャリストを目指す。

 (防災総括担当主事、さかい・ともみ)

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