2017年6月15日木曜日

【賃上げ実施率は約8割】東京商工リサーチ、2017年「賃上げアンケート調査」結果

民間信用調査会社の東京商工リサーチが実施した2017年「賃上げアンケート調査」の結果によると、アンケートに回答した5913社の82・6%、4890社が「4月に賃上げを実施した」と答えた。

 実施内容は「定期昇給」が1752社(29・6%)でトップとなり、「定期昇給+ベースアップ」が914社(15・5%)、「定期昇給+賞与増額」が831社(14・0%)の順だった。

 資本金1億円以上の872社は755社、率にして86・6%が「何らかの賃を実施した」と答え、1億円未満の5041社中4135社(82・0%)と4・6ポイントの差があった。ベースアップ実施企業(1619社)に聞いた上げ幅(月額)は平均6679円。「5000円以上1000万円未満」が21・0%となり、回答の中央値は3000円だった。

 賃上げの実施理由は「従業員を定着させるため」が52・8%と過半数を占めた。大企業よりも中小企業の方が従業員定着を理由に賃上げに踏み切った割合が多かった。2013年以降の賃上げ回数は「毎年」との回答が64・2%(3490社中2240社)となった。大企業、中小企業とも「実施なし」は少数派となり、多くの企業で賃上げが定例化している。

 一方、賃上げによって人材不足が解消できたかどうかの質問では、3490社中1885社が「分からない、どちらとも言えない」と回答。「解消できた」は642社にとどまり、賃上げが必ずしも人材不足解消につながっていないことが分かった。

 賃上げによる社員一人当たりの経費負担増額は、年間で「10万円以上20万円未満」が25・3%(2247社中568社)、「5万円以上10万円未満」が25・1%(564社)、「5万円未満」が23・6%(531社)。平均値は52万7052円だが、この金額は一部企業が大幅な賃上げを実施した影響が大きく、回答の中央値は10万円となっている。

 この調査は5月12~23日にインターネットを活用して実施。有効回答5913社のデータを集計・分析した。定期昇給、ベースアップ、賞与増額を賃上げと定義している。

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