2017年6月23日金曜日

【環2は地上ルートで暫定開通へ】東京都、豊洲移転・築地再開発の課題整理

 東京都は22日、築地中央卸売市場(中央区)の豊洲新市場(江東区)への移転に向けた課題を整理する関係局長会議を庁内で開いた。

 本線トンネルの一部が築地市場用地を経由する計画となっている都道環状2号については、トンネルの代わりに地上部道路を整備し、2020年東京五輪までの暫定開通を目指す方針を確認した。

 豊洲市場の地下ピット(地下空間)に講じる安全対策では、専門家会議が示した第2案(換気による水銀などガス濃度の上昇防止、コンクリートによる水銀などガスの侵入低減)を基本とする。

 小池百合子知事は「ここからがスタート。各局が連携し、スピード感を持ってしっかりとした体制をつくる。責任を明確にしながら横の連携を強化してもらいたい」と呼び掛けた。

 村松明典中央卸売市場長は、「専門家会議で示された各種追加対策工事の内容を早急に精査し、発注手続きに入る。地下ピットの対策では工期・工事費の面で優れる第2案(契約・工事期間8カ月、工事費15億~20億円)を基本に年度内の完了を目指す」と明言した。

 さらに「環境アセスメントの手続きでも環境局との調整の上、速やかに変更届を提出する。農林水産相の認可手続きに向けた調整も進める。同時に施設の使い勝手の向上策も講じる」と強調した。

 村松市場長は、豊洲市場周辺地区のにぎわい創出も重要な課題だと指摘。市場隣接地での整備を計画している大型商業施設「千客万来施設」の設置に向け、「事業者(万葉倶楽部を代表とするグループ)との調整を進める。江東区とも協力し、公園の活用などによるにぎわいづくりでさまざま検討を行う」との方針も示した。

 西倉鉄也建設局長は、東京臨海部と都心部を結ぶ環2の整備目標などを説明。「地上部道路による五輪までの開通に向け、関係各局・関係機関との調整に努める。市場の移転時期、築地再開発などの状況を踏まえ、整備方法を検討する」との見通しを示した。

 西倉局長は、築地に近い浜離宮恩賜庭園の活用についても触れ、「立地特性を踏まえ、築地のブランド力との相乗効果が発揮できるよう各局と連携し、さらなる魅力向上に取り組む」と述べた。

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