地方の中学校で社会科の先生をしている友人に話を聞いた。毎朝7時前には出勤し、顧問を務める剣道部の朝練習の指導、放課後はまた部活、生徒の生活指導に保護者対応、会議に書類作り、翌日の授業の準備…と深夜の帰宅もしばしば。同僚の多くも同じという▼建設業をしのぐ長時間労働が問題化している学校の先生の典型である。それでも「まだまだ現場で頑張りたい」と学生時代と変わらぬ笑顔を見せる▼「子どもとしっかり向き合いたい」「良いものを造りたい」。学校も建設現場も、こうした職業的良心を持つ人たちの努力に支えられているのだろう。彼らが倒れてしまわぬうちに手を打つ必要がある▼と考えていたら、思わぬニュースを目にした。〈夏休み最短10日間〉。静岡県吉田町が来年度から小中学校の夏休みを最短10日間にする方針を決めたそうだ。授業日を増やすことで、先生の1日の労働時間を減らすのが目的という▼学校にわざわざ冷房を取り付けて授業をするらしいが、そもそも先生の時短は部活の負担や雑務の軽減が本筋では。「奇策」のとばっちりをくう子どもたちも気の毒というほかない。
0 comments :
コメントを投稿