2017年6月29日木曜日

【リニア新幹線整備が本格化】JR東海、難工事中心に先行発注

 JR東海が、東京・品川~名古屋間で2027年開業を目指すリニア中央新幹線の建設プロジェクトで、本線・駅部の工事が本格化してきた。土かぶりが1000メートルを超す南アルプストンネルをはじめ、品川や名古屋の両ターミナル駅など、工期が長く施工難度の高い工事を中心に先行して発注が進み、鉄道建設・運輸施設整備支援機構への業務委託区間を含め、これまでに主要18件の工事契約を締結。うち14件で工事が始まっている。未着手区間の工事も準備が整い次第、発注手続きに入る。


 □駅・本線部で本工事契約済み18件の概要□
 (△件名=〈1〉施工者〈2〉契約時期〈3〉工事概要、▲は未着工)

 【東京都】

 △品川駅(北工区)=〈1〉清水建設・名工建設・三井住友建設JV〈2〉15年9月〈3〉土留め壁構築と掘削工、工期21年2月まで

 △品川駅(南工区)=〈1〉大林組・東亜建設工業・熊谷組JV〈2〉15年10月〈3〉土留め壁構築と掘削工、工期21年2月まで

 △北品川非常口及び変電施設(地下部)=〈1〉清水建設・鴻池組・竹中土木・名工建設JV〈2〉16年4月〈3〉シールド機の発進立坑となる非常口(直径36m、深さ90m)と変電施設の地下部分、工期19年6月まで

 △小野路非常口他=〈1〉鹿島・オリエンタル白石・鉄建建設JV〈2〉16年4月(鉄道運輸機構委託発注)〈3〉シールド機の発進立坑となる非常口(直径40m、深さ75m)、工期44カ月

 △品川駅(非開削工区)=〈1〉安藤ハザマ〈2〉16年5月〈3〉シールド機の製作と発進立坑の整備、工期21年6月まで

 【神奈川県】

 △東百合丘非常口=〈1〉大林組・フジタ・大本組JV〈2〉16年11月〈3〉シールド機の発進立坑となる非常口(直径36m、深さ100m)、工期20年9月まで

 △梶ケ谷非常口及び資材搬入口=〈1〉西松建設・五洋建設・青木あすなろ建設JV〈2〉17年2月〈3〉シールド機の発進立坑となる非常口(直径50m、深さ80m)と資材搬入口(直径30m、深さ80m)、工期20年7月まで

 【山梨県】

 △南アルプストンネル(山梨工区)=〈1〉大成建設・佐藤工業・錢高組JV〈2〉15年8月〈3〉本線トンネルの一部(施工延長7.7km)、工期25年10月まで

 ▲第四南巨摩トンネル(西工区)=〈1〉西松建設・青木あすなろ建設・岩田地崎建設JV〈2〉16年7月〈3〉本線トンネルの一部(施工延長2.6km)、工期26年5月まで
南アルプストンネル山梨工区での掘削作業の様子
(ⓒ JR東海)
【長野県】

 △南アルプストンネル(長野工区)=〈1〉鹿島・飛島建設・フジタJV〈2〉16年2月〈3〉本線トンネルの一部(施工延長8.4km)、工期26年11月まで

 ▲伊那山地トンネル(坂島工区)=〈1〉清水建設・大日本土木JV〈2〉16年9月〈3〉本線トンネルの一部(施工延長5.1km)、工期26年9月まで

 ▲中央アルプストンネル(松川)外=〈1〉戸田建設・あおみ建設・矢作建設工業JV〈2〉16年12月(鉄道運輸機構委託発注)〈3〉中央アルプストンネルの一部(施工延長4.9km)と風越山トンネルの一部(同2.3km)、工期101カ月間

 【長野・岐阜県】

 ▲中央アルプストンネル(山口)=〈1〉鹿島・日本国土開発・吉川建設JV〈2〉16年8月(鉄道運輸機構委託発注)〈3〉本線トンネルの一部(施工延長4.7km)、工期76カ月間

 【岐阜県】

 △日吉トンネル(南垣外工区)=〈1〉清水建設・大日本土木・青木あすなろ建設JV〈2〉16年6月〈3〉本線トンネルの一部(施工延長7.4km)、工期26年9月まで
実験線で試験走行を重ねるリニア新幹線のL0系車両
【愛知県】

 △名城非常口=〈1〉大林組・戸田建設・ジェイアール東海建設JV〈2〉16年4月〈3〉シールド機の発進立坑となる非常口(直径40m、深さ90m)、工期19年9月まで

 △名古屋駅(中央東工区)=〈1〉ジェイアール東海建設・前田建設・シーエヌ建設JV〈2〉16年9月〈3〉在来線を盛り土構造から橋梁構造に置き換えるための仮土留め杭と工事桁の構築、工期19年5月まで

 △名古屋駅(中央西工区)=〈1〉大林組・ジェイアール東海建設・前田建設JV〈2〉16年9月〈3〉新幹線高架下などへの仮受け杭と地中連続壁の構築、工期19年5月まで

 △坂下非常口=〈1〉前田建設〈2〉16年10月〈3〉シールド機の発進立坑となる非常口(直径40m、深さ85m)、工期19年6月まで。

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