2017年6月27日火曜日

【記者手帖】梅雨時の水不足に考える

全国的に梅雨入りし、地域によっては豪雨による洪水や土砂災害が発生している。近年は過去に例のない量の雨が短時間に降り、各地で思いもよらない被害が人々の安住を奪っている◆一方、四国では4月には例年以上の降雨があったものの、5月以降、そして梅雨入り後もまとまった雨が降っていない。四国の水がめと呼ばれる早明浦ダム(高知県)の貯水率は50%台となり、取水制限が行われるなど水不足の状況になっている◆瀬戸内側の香川県では、気候や地形の関係で毎年のように渇水被害が発生。1973年には6月の降水量が83mmしかなく、60日以上も給水制限が行われ、「高松砂漠」と言われた。自衛隊などの給水車に市民が列を作る様子がテレビで報じられたのを今も覚えている◆その翌年に早明浦ダムを水源とする香川用水が完成し、水不足は大きく改善された。しかし、完全に解消されたわけではない。94年にも県内のほぼ全域で断水となるなど被害は発生している。地道なダムの建設や再開発に加え、普段から水のありがたさを感じて大切に使う心掛けがまだまだ必要だろう。(宮)

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