2017年6月9日金曜日

【回転窓】入職前教育の重要性

建設職人の教育は、現場で必要な技を教えるOJTが基本。新人のころにどのような指導を受けたかによって、その後の職人人生に大きな違いが出てくると思われる▼先日、入職前の人材を集めて現場に必要な技能を教える訓練機関を取材した。指導に当たる講師はその道のベテラン。自ら施工会社を率い現場の第一線で活躍している▼この訓練期間でどの程度のことを教えることができるのか、講師に尋ねてみた。いわく、「必要な技能が10段階あるとしたら、せいぜい2くらいでしょうか」。続けて「この2を覚えることが実は大きいのです」とも▼訓練で用具の名称や使い方、普段の生活で使うことがない現場用語、基本の動作を学ぶことができれば、訳もわからず現場に入って戸惑うようなことが回避できる。その分、OJTによる教育効果が高まることにもなる▼入職後、現場になじめずに3年以内で離職する若者が後を絶たないといわれる建設業界。事前教育の仕組みを取り入れることは、若者の定着率向上にもきっと役立つだろう。少ない人員で効率的に現場が運営できる生産性の向上にも大きな効果を発揮するはずだ。

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