2017年6月7日水曜日

【回転窓】「村民総会」の衝撃

法律でそんな制度が認められているとは、不勉強にして知らなかった。離島を除き人口が全国で最も少い高知県大川村が、村議会を廃止して「村民総会」を設置することを検討していると話題になっている▼同村の人口は392人(3月末)。村議が高齢化し、後継者を確保するのも難しいゆえの選択肢という。実現すれば、有権者約350人による総会で予算案などを審議することになるそうだ▼大川村に限らず、少なくない数の小規模自治体で今後、同様に議会廃止の検討が進む可能性があるとの見方も出ている。一連の報道で改めて浮かび上がるのは、地方の過疎化と高齢化の深刻さである。人であふれ返る東京で暮らしているとなかなか実感が伴わない▼ひところ盛んに言われた「地方創生」。最近は随分と色あせた感じがする。建設業界も含め、都市と地方の格差拡大を指摘する声は多い。東京一極集中にブレーキがかかる気配もなく、掛け声とは裏腹の現実はやはり何とも厳しい▼東京暮らしの身が言っても説得力に欠けることは重々承知の上だが、諦めるのはまだ早い。地方創生の道はまだ開かれていると思うが。

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