公共交通機関や車、徒歩などで移動するルートを検索するアプリケーションが日常のツールとなって久しい。目的地までの最適なルートや移動にかかる予想時間をはじめ、道路の渋滞情報や施設の混雑状況などが分かる便利なサービスも充実している▼屋外では衛星利用測位システム(GPS)による位置情報を活用してサービスが提供されているが、GPSの信号が届かない屋内や地下では利用しにくい。サービスに不可欠な内部の地図もビルごとに作成・管理している場合が多く、統一したデータが不足している▼国土交通省は屋内外を問わずシームレスに目的地へ移動できる社会の実現を目指す「高精度測位社会プロジェクト」を展開。昨年11月に新宿駅周辺、今年8月から東京駅周辺の屋内電子地図を公開した▼東京駅周辺のデジタル地図は駅を中心に東西約1キロ、南北約2キロの範囲が対象。鉄道施設や民間ビル、通路、トイレなどが一つの地図に表示される▼世界の関心が集まる東京五輪開催まで2年余り。高精度な空間情報インフラを活用したさまざまなナビゲーションサービスが生まれ、活用されることを期待したい。
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