2018年9月14日金曜日

【にぎわい創出へ、移転準備最終段階】豊洲新市場(東京都江東区)、開場まで1カ月

 10月11日の豊洲新中央卸売市場(東京都江東区)開場まで1カ月を切った。整備・運営者の都は追加の安全対策工事を終え、築地市場(中央区築地)の機能移転に向けた準備が最終段階に入っている。市場内には一般向けの飲食・物販店舗も複数開業し、地域に新たなにぎわいを創出する。

 新市場の建設地は、築地市場から約2キロ離れた江東区豊洲6(敷地面積40万7000平方メートル)。施設本体は既に完成し、一部が新交通ゆりかもめ市場前駅と歩行者デッキで直結している。

 当初計画では16年11月に開業する予定だった。同7月の知事選で当選した小池百合子氏が建設の経緯などに疑問を呈し、再検証のため開業が一時凍結。追加の安全対策などを経て、約2年遅れでの開業が決まった。13日の開場記念式直前、小池知事は各施設を視察し、市場の安全・安心を確認した。

 豊洲市場の設計は日建設計が担当した。主要施設のうち、水産仲卸売場棟は5階建て延べ17・7万平方メートル(施工=清水建設・大林組・戸田建設・鴻池組・東急建設・錢高組・東洋建設JV)、水産卸売場棟が5階建て延べ12・5万平方メートル(同=大成建設・竹中工務店・熊谷組・大日本土木・名工建設・株木建設・長田組土木JV)の規模。水産卸売場棟にはマグロの競りなどを見学できるデッキを整備している。水産仲卸売場棟の屋上には来訪者のための緑化広場も設けた。

 野菜や果実などを扱う青果棟は3階建て延べ9・7万平方メートル(同=鹿島・西松建設・東急建設・TSUCHIYA・岩田地崎建設・京急建設・新日本工業JV)、都の事務室や衛生検査所などを置く管理施設棟は6階建て延べ2・4万平方メートル・(同=関東建設工業・鍛治田工務店・川口土木建築工業・国際建設JV)の規模で建設した。

 水産仲卸売場棟の隣接地では、商業棟と温泉・ホテル棟で構成する千客万来施設を民間事業者が別途整備する計画もある。20年10月に着工し、23年度に開業する見込みだ。豊洲の開場記念式で、山崎孝明江東区長は「当面は6街区(水産仲卸売場棟)と7街区(水産卸売場棟)の飲食・物販店舗がにぎわいを担っていく」と述べた。

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