1934年の設立以来、道路舗装業界のリーディングカンパニーとして高速道路だけでなくサーキットや自動車テストコース、スポーツ関連施設などの建設や、アスファルト混合物の製造・販売を手掛けてきた。
中核事業である舗装土木では自動車テストコース事業と合材事業で海外に進出。マンション建築や不動産開発、土壌浄化など多角的に事業展開している。
管理本部人事部人事第一グループの菅野貴光課長は採用に当たって「常に挑戦する心や問題意識を持ち、感謝の心を忘れない人に来てほしい」と求める人物像を語る。加えて「ものづくりの最前線である現場ではコミュニケーション能力も重要」とも指摘。「会話のキャッチボールができることは仕事を円滑に進めるためにも、仲間の安全を守るためにも欠かせない要素だ」と強調する。
舗装工学の分野を扱う学校が減少していることを背景に、近年はこうした人材を呼び込むため、インターンシップ(就業体験)、出張授業などを積極的に開催してPR活動を展開している。
菅野課長は「土木系の学生の中には、『建設業イコールゼネコン』と考える学生も少なくない」と舗装業界の認知度の現状を示す。その上で、「黒いアスファルトの下にはさまざまな工夫が詰まっている。インターンシップなどを通じて舗装業界に興味を持つ学生を一人でも増やしていきたい」と力を込める。
インターンシップは17年から公募で幅広くアピール。「当社というよりも、道路舗装の仕事を学んでもらうため」(菅野課長)に年々開催回数を増やし、内容の改良を重ねている。来春入社予定の内定者に占める同社インターンシップ参加経験者の割合は前年比で増加しており、菅野課長と共に社員の採用・育成に携わる中川裕子係長は「道路舗装の仕事を理解してもらうための取り組みが花開いてきているのでは」と成果を実感している。
入社後は充実した研修カリキュラムで新入社員をプロフェッショナルに育成する。その一つである新人研修は今年から期間を延長し、1カ月半から2カ月以上に伸ばしている。専門教育にかける期間を長めに確保することで、基礎的な知識を十分身に付けてから現場に臨めるようにするという。
同社の職種の中で最も多い割合を占める土木系総合職は、入社後の3年間は「育成期間」としてさまざまな現場に配属される。幅広い現場で経験を積ませることで本人の適性を見極めることなどが狙いで、4年目から本配属となる。本配属によって業務の責任は重くなるが、残業時間の削減、休日確保などの働き方改革を展開し、社員をフォローする体制を整えている。
就職活動中の学生に向けて、菅野課長は「入社に当たっては不安もあるだろうが、『まずはやってみよう』と物事を前向きにとらえられる人に来てもらいたい。入ってからどれだけ活躍できるかは自分次第だ」とエールを送る。
《新卒採用概要》
【新卒採用数】 男性50人(うち技術系38人)、女性7人(同3人)(2019年度実績)
【3年以内離職率】7・6%(16~18年度新卒)
【平均勤続年数】 男性18・0年、女性16・5年(19年3月末時点)
【平均年齢】 42・3歳(19年3月末時点)