渋谷二丁目西地区の完成イメージ(都の作成資料から) |
国家戦略特別区域会議の合同会合が2月28日に開かれ、東京都は国際競争力の強化が見込まれる都市再生プロジェクトとして、新規2地区と変更1地区を提案した。都市計画法の特例を活用し、公共交通の充実や歩行者ネットワーク、ビジネス支援施設、居住空間などを整備する。
新規案件の「渋谷二丁目西地区」(渋谷区)は東京建物と都市再生機構が計画する。A~Cの3街区の約2・9ヘクタールを都市再生特別地区に指定するとともに、A、B街区の計2・3ヘクタールで再開発事業を実施する。3街区の総延べ床面積は32万2200平方メートル。オフィスや店舗、ホテルなどで構成する。2025~29年度をビル建築や基盤整備などの工事に充てる。バスターミナルのほか、歩行者ネットワークも整備し渋谷駅から街全体への回遊性を高める。
日本橋一丁目東地区の完成イメージ(都の作成資料から) |
東急不動産や三井不動産、日鉄興和不動産が取り組む「日本橋一丁目東地区」(中央区)も新規提案した。区域面積約3・6ヘクタールで、総延べ39万平方メートルの再開発ビル群を整備する。事業では区域をA~Eの5街区に分ける。駅とまち、同地区を流れる日本橋川をつなぐ歩行者基盤を整備し、首都高速道路の上部空間には緑地や広場を設ける。MICE(国際的なイベント)拠点形成を支えるカンファレンス施設なども建てる。
「南池袋二丁目C地区」(豊島区)は地下通路のルートを一部変更し、利便性を高める。▽南池袋二丁目C地区市街地再開発組合▽住友不動産▽野村不動産▽都市機構-が計画する再開発で、4月に再開発ビルの建設に着手する予定。区庁舎に隣接する敷地に建てるビルは2棟構成で総延べ約18万6700平方メートルの規模になる。25年12月の事業完了を目指す。地上と地下で回遊性を向上するための歩行者空間も創出する。
3件は今後開かれる内閣府の特区諮問会議(議長・岸田文雄首相)での議論を経て正式に認定される。
都は今後提案予定のプロジェクトとして、渋谷駅東口の地下広場や立体広場空間を整備する「宮益坂地区」再開発や、品川駅周辺の国道整備などと連携して歩行者網を整備する「品川駅西口地区」再開発も紹介した。
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