2022年3月1日火曜日

【記者手帖】できる限り自分の足で

  全国の自治体が来年度の予算案を公表している。予算規模が大きい県や政令市は役所に直接資料を受け取りに行く。移動の距離や時間を考えるとホームページでの確認や郵送を依頼するところも多い◆記事では駅周辺の再開発など特徴のある事業を中心に詳細を調べる。ただ資料や電話取材だけではなかなか理解できないこともある。地図サイトを頼りに予定地や周辺の状況などを見ると、少しは分かった気になる◆指導役の先輩記者には、できれば役所に赴き予算資料をもらうよう勧められる。駅や中心街のにぎわい方、幹線道路の通行量、公園の様子など、実際に行ってみなければ分からないことも多い。自治体の担当者に直接話を聞くことで事業への理解も深まる。ネットや電話取材は確かに便利。だがそれですべてを知った気になってはいけないし、丁寧な取材活動は結果的に記事の質につながる◆街を実際に訪れると親近感が湧くし、思い入れも強くなる。さまざまな場所に行けるのは記者という仕事の醍醐味(だいごみ)の一つ。できるだけ多くの街を訪れ人と会い、より読んでもらえる記事を書きたい。(松)

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