2022年3月28日月曜日

【凜】林野庁林政部木材産業課・増田莉菜さん

  ◇森林資源の活用と持続めざす◇

 環境問題や地球温暖化への対応などに興味があり、大学や大学院で環境生態学を専攻した。研究室ではカーボンニュートラルの観点で世界的に注目されている二酸化炭素(CO2)の森林吸収など炭素循環を研究テーマに選んだ。学んだ知識を生かしたいとの思いから、林野庁への就職を希望した。「森林という資源を活用しながら保ち続けるというバランスを考えていく仕事は大変な分、やりがいも大きい」。

 入庁して9年目。現在は建築物の木材利用を促すために技術開発を支援している。国内にある多くの森林は伐採の適齢期を迎えている。林野庁は森林を活用しカーボンニュートラルの実現、林業や木材産業の持続可能な成長を目指している。

 「目標の達成には需要の開発が重要になる」という思いが強い。ターゲットは非住宅や中高層の建物。強度や耐火性に優れる建築部材や施工の効率化につながる技術の開発を補助事業で後押ししている。CLT(直交集成板)を活用した建築物の設計や建設、街づくりなどの実証も支援している。

 「2~3年で異動があり、新しく覚えることがたくさんある。大変な半面おもしろい」とやりがいを語る。「どの部署にいても、森林資源を活用し持続させていきたいという思いは変わらない」。初心を忘れず、前を向き続ける。

 (木材製品技術室木材専門官、ますだ・りな)


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