2015年6月17日水曜日

【回転窓】ウイルス感染の恐怖

 ウイルス感染の恐怖を描いたサスペンス映画は少なくない。そうした映画を見た多くの人が思うのは「実際には起きないでほしい」であろう。現実の世界では、目に見えないウイルスの恐怖は計り知れない▼12年に初めて確認された中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス。中東地域に感染者が多く、5月以降に韓国で患者が増加。現段階で感染の終息には時間がかかると見られている▼厚生労働省のホームページによると、世界保健機関(WHO)に報告された中東地域からの症例のうち、症状が悪化して死亡する割合は約40%に上る。日本での感染例はないが、必要な知識を得て予防に努めたい▼海外建設協会発行の『OCAJI』(13年10・11月号)で、国立感染症研究所の専門家が、MERS感染の予防について「中東に滞在する際は、人が集まる場所にはできるだけ近付かない方が望ましい」と指摘している。日常的な手の衛生は大事で、「マスクの着用は感染を予防するかもしれない」とも▼海外事業を展開する上で感染症も含めた多様なリスクにどう対処していくか。あらためて考えさせられる。


0 コメント :

コメントを投稿