2021年6月3日木曜日

【大火砕流から30年】雲仙復興、無人化施工の高度化と普及に大きな役割

地元企業による無人化施工(雲仙砂防管理センター提供)

  1991年6月3日に発生した雲仙・普賢岳(長崎県島原市など)の大火砕流から30年を迎える。国土交通省の直轄砂防事業は3月にすべて完了。最前線で事業を進めた雲仙復興事務所は2020年度末で閉所した。長崎河川国道事務所に新設した6人体制の雲仙砂防管理センター(西島純一郎センター長)が後継組織となり、溶岩ドームの挙動を監視しながら砂防管理を続けている。

 有明海へと注ぐ水無川上流に設定した人の立ち入ることができない警戒区域。この中で行われた砂防事業には、安全な場所から建設機械を操作する無人化施工が全面導入された。建設省時代から28年間に及んだ事業は無人化施工が発展した歴史とも重なり、蓄積した技術やノウハウは熊本地震(16年4月)などの災害対応でも活用された。

 発生当時、現地での対応に当たった古川隆三郎島原市長が提唱した無人化施工の愛称「UNZEN」をデザインしたロゴマークを建機に貼り付けるなどしてPRにも努めている。

 砂防事業の無人化施工はゼネコン各社が担ってきたが、砂防管理では地元企業が中心の取り組みとなる。20年度にCランク向けの工事が初めて発注され、警戒区域に堆積した土砂を取り除く無人化の作業が行われた。国交省は今後も地元向けに年間数件、同様の工事を発注する方針だ。

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