東京の各地区で開発計画を取材していると、それぞれの街が目指す将来像などをイメージできるようになる。一方、街の過去の姿はなかなか知る機会がない。なにか手掛かりはないかと調べていた時、「暗渠」というキーワードが目に入った◆暗渠は、川や用水路を地下に埋設したりふたをしたりしたもの。地上部分に道路などが整備されると発見するのは難しいが、見分けるポイントもある。緑道や細く曲がりくねった道、幅が広い歩道などは格好の手掛かり。埋設した配水管に負荷をかけないように車止めが設置されているケースも多いという◆自分が住む街を散策してみると多くの暗渠があり驚いた。地元団体の資料によると、玉川上水を源流とする農業用水路が発達した地域だったという。今は住宅街になっているが、当時は豊かな田園風景が広がっていたに違いない◆東京は新たな開発計画が続々と立ち上がり、街の姿が刻々と変化している。そんな中で、暗渠は土地の過去を伝える貴重な遺産だろう。形跡をたどれば土地の地形や歴史など新たな発見があるかもしれない。(暉)
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