高松市が発注し清水建設が施工している高松城跡桜御門の復元工事が上棟し、6日に現地で上棟式が開かれた。
式典には市や清水建設などから関係者約40人が出席。宮大工による伝統儀式「工匠(こうしょう)式」が行われ、桜御門の上棟を祝った。工事は2022年1月の完成を目指す。
上棟式では工事関係者が伝統的な装束をまとって鎌倉時代の武士や大工に扮(ふん)し、工匠式を行った。工匠式は宮大工が造営した建物の末永い安泰を祈念する儀式。式典出席者で棟木(むなぎ)を綱で引き上げる「曳綱(ひきづな)の儀」、棟木を屋根の一番高い位置に組み納める「槌打(つちうち)の儀」などを行った。
槌打の儀では、振り幣(ふりへい)役の宮大工の棟梁(とうりょう)が建物の安泰を祈って「千歳棟(せんざいとう)」などと発声。掛け声に合わせて棟に上がった工匠3人が槌で棟木を打ち付けて上棟を祝った。
高松市は1945年の高松空襲で焼失した高松城跡桜御門を復元整備している。復元工事の進捗(しんちょく)率は6日時点で約45%。桜御門は幅約12メートル、奥行き約5メートル、高さ約9メートルの規模。復元工事に使う木材は約60立方メートル。1階の鏡柱と表冠木(梁)には福井県産のケヤキ材、2階の柱と梁には岩手県産のマツ材を使っている。復元に当たってはくぎなどの金物を使わず、柱や梁を組み立てる伝統木造技術を使う。設計は文化財保存計画協会。
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