2021年6月10日木曜日

【回転窓】手軽さ便利を転換

  1971年9月に発売された日清食品の「カップヌードル」。ふたを開けて熱湯を注いで3分待つだけという手軽さもあり、新たな食文化として世界に広まった▼発売50周年を迎える今年、環境保全の取り組みの一環で、カップヌードルのふた止めシールの廃止を決めた。プラスチックの使用量が年間33トン削減できるという▼カップ底部の包装フィルムに付けられたふた止めシールにはフィルムを開封しやすくする狙いもあった。シール廃止に合わせふたの折り曲げ部分を2カ所に増やすそう。レギュラーサイズの商品を対象に今月から順次切り替える▼同社の取り組みが発表された4日、国会ではプラスチックごみを削減し、循環利用を促す新法が成立した。小売りや飲食店などに対してストローやスプーンといった使い捨てプラ製品の削減を義務付ける。製造・販売から使用後まで各段階でプラ素材の使用抑制やリサイクルを推進する▼カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量の実質ゼロ)の実現に向け、環境保全の動きが一段と強まった。手軽で便利なサービスを享受してきたわれわれ消費者の意識変革が求められる。

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