◇尊敬する先輩たちのように◇
大学時代、先輩たちが書いた土木分野の卒業論文を読み、社会基盤整備に貢献したいと考えるようになった。幅広い業務内容や大規模な財政基盤を持ち、「いろいろな事業ができそう」な東京都に魅力を感じ、試験を受けた。
入庁して最初に配属されたのは交通局。都営地下鉄大江戸線の建設に携わった。6年目に建設局へ異動。本庁に勤務し建設事務所、建設事務所から本庁と何度か職場は移ったが、一貫して道路に関連する事業を担当してきた。
中でも長く携わったのは無電柱化事業。電線共同溝の設計などを経験し少しずつ自信は付いてきたが、心のどこかに「一つのことしかできないのは…」という不安もあった。今の部署に異動したのは昨年。道路のバリアフリー化などを担当し、「視野が広がった」と充実した日々を過ごしている。
さまざまな困難を乗り越え、都市基盤が完成した時こそ、「土木に携わる人間として一番うれしい瞬間」と考える。トンネル工事の監督などを務めた環状8号線が開通を迎えた時は「たくさんの人の積み重ねでここまで来られた」と胸が熱くなった。
後進の指導に当たる役割もあり、これまで指導してくれた上司をふと思い出す時がある。「しっかりとした技術や経験がベースにあった指導」が印象に残っている。尊敬する先輩たちに近づく。それが今後の目標だ。
(統括課長代理〈施設計画担当〉、なかむら・りえ)
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