2021年6月28日月曜日

【回転窓】長い髪の善意

  町内会の女性グループがそろって髪を切った。病気やけがで髪が必要な人のために無償で提供するヘアドネーションと聞いた▼JISに適合するよう31センチ以上を求める団体があり、腰の上くらいまであったのを首が見えるほどにばっさり切った女性がいる。息子が幼稚園のころから小学4年になるまで切っていなかったり、帰宅途中の夫に見ず知らずの人と思われたりした女性もいる。傘をさして小学校に向かった子供たちを朝見送ってからも髪の話題が尽きないそうだ▼ヘアドネーションは髪の提供にとどまらない。切るのが久しぶりの人や初めての美容室に任せるのが不安な人がいるので、相談やカットに応じるスタッフを配置し郵送も担う協賛店がある▼シャンプーの収益を寄付し、髪を切らない取り組みを応援する企業や、31センチに満たない髪をヘアカラーの評価毛に役立てる企業も。コロナ禍で休止せざるを得なかった団体が髪の受け入れを再開し始めている▼ある団体によると、長い髪に憧れる女児が多く、医療用ウィッグなどに使う長い髪は慢性的に不足しているそう。髪を巡る善意の絆がより強くなりますように。

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