◇東京で初の女性1級型枠技能士に◇
1月に東京会場で実施された型枠施工技能検定で、初の女性1級型枠施工技能士が誕生した。初めての挑戦で一発合格を果たした。学校卒業後は事務職に就いたが、会社が合併するのを機に退職。アルバイトをしながら父親が経営する型枠大工の専門工事会社を手伝った。
「最初は現場に出ても掃除などの雑用ばかり。電動のこぎりさえも、持たせてもらえなかった。そのうち実際の作業を手伝うようになり、玉掛けやフォークリフトなどの資格を取得。みんなと同じことができるようになると仕事が楽しくなった」
1級試験を受験したのは、応援に行った会社の職長に「指導するから挑戦してみたら」と言われたのがきっかけ。筆記試験の勉強は寝る前。実技も3カ月前から休日や夜間に練習した。
「実技試験を初めて練習した時、5時間以内に終える作業が周囲に助けてもらっても9時間かかった。それで普段あまり使わない手ノコやカンナを猛練習し、作業を体に覚え込ませようと思った」
型枠大工になって今年で18年目。会社は兄が継ぎ現在、兄のサポート役に。現場に行くといまだに女性が来たのかという顔をされることもある。そんな時は「意地でも負けない」と思う。「もっと実力を付けて職長になり、兄をもっと手助けしたい」。
(やまぐち・さおり)
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