2021年6月23日水曜日

【回転窓】アジサイとワクチン

  梅雨に入り雨続きの季節が本番を迎えた。この時期の花の代表格と言えばなんと言ってもアジサイ。あでやかな花の色はもやもや気分を少し晴れやかにしてくれる▼いまや世界各地で栽培されているアジサイだが、原産地は日本。鎖国時代に来日していたドイツ人医師、シーボルトが世界に広めたという。欧州では「東洋のバラ」と呼ばれ人気も高い▼日本では山中や寺の庭先などにひっそりと咲くイメージがあり、どこか哀愁を感じさせる。シーボルトはアジサイを自分の愛人であった「お滝さん」にちなんで「オタクサ」と命名。長崎などでは今も親しみを込めて、この名で呼ばれている▼梅雨空の下、全国で新型コロナウイルスワクチンの接種が行われている。大手ゼネコン各社も職域接種を開始した(本紙21日付3面)。建設業は現場を止めずに頑張っているだけに、一日も早く作業員まで接種が行き渡り、安心して働ける環境ができることを祈るばかりだ▼アジサイは葉に毒があり根には解熱成分がある。毒と薬は裏表のような関係にあるということか。ワクチンも副作用があるようだが効く薬はそういうものなのだろう。

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