2021年6月8日火曜日

【回転窓】伝える、伝わる

  16日に会期末を迎える通常国会。新型コロナウイルス対策や開会式まで50日を切った東京五輪の対応、今秋までに行われる衆院選…。課題は山積状態だが、政府与党は会期を延長せず国会を閉幕する方針という▼昨日は首相が出席した参院決算委員会、9日には2年ぶりの党首討論が行われる。報道機関の世論調査を見ると内閣支持率は低下傾向にあるよう。今国会最後のヤマ場を迎え、攻勢を強める野党。論点を微妙にずらして答える、法政大学の上西充子教授が名付けた「ご飯論法」が党首討論でも披露されるのだろうか▼新聞作りに日々携わる立場として感じるのは「伝える」ことと「伝わる」ことの違い。記者は読者に情報を伝えるために取材した内容を記事にする。ただ記者は伝えたつもりでも真意が読者に伝わっているかは分からない。伝えるだけで満足してはいけないと思っている▼よどみなく言葉を発したり書き連ねたりしても、それを見聞きした人の頭の上に「?」が見えるようでは意味が無く、独りよがりにすぎない▼誠実で真面目に丁寧に。記者にとって大切なのは取材先、読者と正面から向き合う姿勢だろう。

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