2021年6月10日木曜日

【後藤慶二が設計、大正モダニズム建築の代表作】旧中野刑務所正門(東京都中野区)、曳き家で移築保存へ

移築保存する「旧中野刑務所正門」(中野区提供)

  東京・中野区は大正期のモダニズム建築を代表する作品として価値が高い「旧中野刑務所正門」を保存する。正門が残る敷地一帯が区立平和の森小学校の移転予定地になったことを受け、区は保存策を検討。建物を解体せず移築する曳き家で保存する方針を決めた。4日には正門を区の有形文化財に指定。移築工事を経て2026年秋ごろの公開を目指している。

 正門は旧法務省矯正管区敷地(新井3の37)にある。大正期に活躍した建築家・後藤慶二(1883~1919年)が正門を含めた豊多摩監獄(後の中野刑務所)を設計した。正門はれんが造りの建築の中でも高水準の作品とされ、後藤慶二が手掛けた作品で唯一現存している。関東大震災や第2次世界大戦をくぐり抜けており、地域遺産としても貴重だ。

 移築予定地は現在地の西側約100m先。移築に向けた保存活用計画などを本年度に策定する。設計を経て24年度から約2年半かけて移築する。

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