竹中工務店は、プレキャスト(PCa)コンクリート部材を現場で製造し、当日中に取り付けできる超速硬コンクリートを開発した。
2014年に開発した工場製造用の「ハイファード」を改良。従来と同じ速硬性混和材を使用する。生コンクリート工場から現場までの移動時間を考慮し一定の流動性を保つ化学混和剤を開発した。同一型枠で1日2回転の部材製造が可能になり生産効率が倍増。狭小地にも使える。
埼玉県加須市豊野台で施工中の物流施設に初適用し効果を確認した。現場製造用に改良した超速硬コンクリートは「Site-ハイファード」。超速硬混和材や化学混和剤は竹中工務店とデンカ、竹本油脂が開発を手掛けた。化学混和剤の改良によりコンクリートの速硬性を保ちつつ生コン工場での製造、運搬が可能な流動性を確保した。
生コン工場で超速硬混和材入りのコンクリートを練り混ぜ、現場に運搬し型枠に流し込む。独自の蒸気養生システムで3時間程度養生すれば、つり上げに耐えられる強度が発現する。
最短で当日中に部材を取り付けることができる。同一型枠で1日2回転の部材製造が可能になり、型枠数減少によるコスト削減や工期短縮に貢献する。部材のストックヤードも削減でき、従来は難しかった狭小地にも使える。工場の供給能力やトラック輸送の制約がなくなり、必要な時に自由な形状、大きさの部材を製造できる。
適用した物流施設は「(仮称)加須物流センター」。設計・施工を竹中工務店が手掛ける。RC一部S造4階建て延べ12万1418平方メートルの規模。超速硬コンクリートはランプ部腰壁に368立方メートル使用。通常に比べ作業工程が約3割短縮できたという。生産性向上のため積極的に適用を増やしていく考えだ。
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