◇カーボンニュートラル港形成へ◇
山形県と酒田市は、酒田港の沖合で民間事業者による洋上風力発電の事業化を後押しする。3日に県や市の担当者でつくる「酒田港基地港湾等カーボンニュートラルポート連携会議」を設立。今後、脱炭素に配慮した港湾機能の高度化や産業集積の在り方などを話し合う。
当面は港湾法に基づき洋上風力発電設備の設置や維持管理の拠点となる「基地港湾」指定を目標に掲げ、沖合での洋上風力発電事業を柱とするカーボンニュートラルポートの形成を目指す。
同会議はメンバーとして県の環境エネルギー部エネルギー政策推進課長、産業労働部工業戦略技術振興課産業立地室長、県土整備部空港港湾課長、県土整備部港湾事務所長、市の地域創生部産業振興調整監が名を連ねる。オブザーバーで東北地方整備局酒田港湾事務所企画調整課長が参加している。
同日の初会合は非公開で実施。県の担当者によると、主な検討項目として▽洋上風力発電設備の基地港湾やカーボンニュートラルポートの具体化を見据えた企業誘致▽誘致する企業の特性に沿った臨海部の土地利用▽洋上風力発電施設建設後の地域振興-の3点を挙げている。
当面は酒田港沖で洋上風力発電事業を実現するため、国による基地港湾指定を目指す。発電設備の設置には港湾に発電部材の輸送船を停泊したり、大規模な発電設備を設置・維持管理したりするための地盤強度やスペースが必要になる。現在の酒田港はこれらの作業に対応できないため、基地港湾指定によって新たな岸壁整備や地盤改良などの道筋を付けたい考えだ。
酒田港沖での洋上風力発電事業を巡っては、東京電力リニューアブルパワー(東京都千代田区、文挾誠一社長)が酒田市と山形県遊佐町にまたがる沖合で洋上風力発電所の建設を計画している。遊佐町沖は海洋再生可能エネルギー整備法(再エネ海域利用法)に基づき、国が洋上風力発電事業促進区域の指定候補に当たる「有望区域」の指定を検討中。酒田沖はこれに該当せず、遊佐町沖に次ぐ指定を目指す。
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