2021年6月1日火曜日

【記者手帖】明けない夜はない

  明けない夜はない--。これは劇作家のウィリアム・シェイクスピアが記した戯曲「マクベス」の一節。新型コロナウイルスの収束が見えない中、業界団体の定時総会が各所で行われている。昨年と同様、今年も感染拡大防止の一環で飲食を伴う懇親会は軒並み中止となっている◆各団体が総会で使用する会場はさまざま。その中で東海大学校友会館(東京都千代田区)が昨年8月、休館になった。新型コロナの流行は懇親会の会場となるホテルにも深刻な影響を及ぼしている◆記者にとっては何げない会話から川上の情報を得られる絶好の機会が失われている。ある団体で会長を退任した経営トップと総会の場で立ち話をした時、「懇親会がないと近況や経営的な情報を交換できない」という愚痴ともとれる話を聞いた◆東京都内では大規模接種会場でのワクチン接種も開始された。暗たんとした気持ちに一筋の光が差したように思える。「ここが踏ん張り所だ」と自分にも言い聞かせている。マクベスの一節には続きがある。「明けない夜はない。やまない雨はない。過ぎ去らない嵐もない」。(司)

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