2021年6月22日火曜日

【歴史的建築物、年度内に方針取りまとめ】岐阜県羽島市、坂倉準三設計の旧庁舎在り方検討へ

坂倉準三が設計した旧羽島市庁舎
(羽島市ホームページから)

  岐阜県羽島市は、新庁舎が本年度に完成することに伴い、旧庁舎の在り方に関する検討を開始する。7月に学識者や関係団体、市民らで構成する「羽島市旧庁舎あり方検討委員会」を設置、初会合を開く。旧庁舎は同市出身でモダニズム建築を代表する建築家、坂倉準三が設計した現存する数少ない施設の一つであるため、専門的見地から市民レベルまでの幅広い意見を踏まえ、本年度内に方針を打ち出したい考えだ。

 旧庁舎(竹鼻町)の規模はRC造5階建て延べ4625平方メートル。1959年に完成し、翌年に第12回日本建築学会賞を受賞している。しかし、建設後60年以上が経過し構造躯体の劣化が進行。耐震性能も不足しているが耐震補強は行われていない。

 狭あい化やバリアフリー対応、市民サービスの面でも課題があったため、市は敷地内で庁舎の建て替えを決定。2019年11月に着工した。新庁舎の規模はS造5階建て延べ9719平方メートル。7月末に完成し、11月初旬に開庁の予定だ。

 市がこれまでに実施した意識調査では建築的、歴史的に貴重な旧庁舎の保存を望む声もある。しかし、耐震化には多額の予算も必要。このため、検討委員会では旧庁舎のほか、敷地内にある中庁舎、北庁舎、教育センターの利活用の在り方についても併せて協議、検討する方針だ。

0 コメント :

コメントを投稿