2021年11月16日火曜日

【回転窓】存在感の発揮を

  英グラスゴーで開かれていた国連気候変動枠組み条約第26回締結国会議(COP26)が13日に閉幕した。地球規模の温暖化をどう食い止めるのか。気候変動対策を巡る各国の思惑が改めて浮き彫りになったのではないか▼会議は石炭火力発電の削減を各国に呼び掛ける文言を盛り込んだ文書「グラスゴー気候合意」を採択。焦点だった石炭火力発電の扱いは当初の「廃止」から表現が「削減」に後退したものの、石炭や石油など化石燃料からの脱却を目指すという方向は確認できたのだろう▼気候変動に伴う影響は海面上昇や大規模な自然災害の頻発などとして表面化している。国土が水没の危機にひんしている太平洋地域の島国ツバルのパエニウ財務省はCOP26で祖国の窮状を涙ながらに訴え、各国に行動を求めた▼国を豊かにしていく上でエネルギーシステムの安定化は不可欠な課題だ。産業革命以降、各国はコストと成長のバランスを取りながら電源開発などを進めてきた▼温室効果ガスの排出量が少ないエネルギーシステムにどう移行していくのか--。COP26で存在感を発揮しきれなかった日本の巻き返しに期待したい。

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