2021年11月16日火曜日

【記者手帖】設備も年を取る

  取材先に行くために階段を上ると息が切れ、記事を書こうとパソコンの画面を見つめているとなんだか目がかすむ。30代になったばかりなのだが、以前聞いた父の「年を取った」というぼやきが、少し分かった気がする。新聞記者に転職し、建設機械や資機材のメーカーなどの取材を担当するようになって半年。聞き慣れない言葉が飛び交う環境にまだついていけていない◆取材先の会見で「設備年齢」という言葉を耳にした。設備はどんどん古くなっていき更新やメンテナンスが必要になる。時間の経過とともに不調が出てくる様子が、体調不良を感じるケースが増え始めた自分と、なんだか重なって見えた◆会見では設備を長く使おうとする顧客が多いとの話題も出た。専門業者が不調の原因を見抜き、時間をかけてメンテナンスなどをして初めて設備の延命化ができる。いわば病院のようなものだ◆人間も医者の診断を基に自分の体をメンテナンスしていく。以前よりも医療機関で検査する機会が増えた。血液検査の数字には毎回ひやひやしている。健康状態をチェックする大切さは人も設備も同じということか。(ご)

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