2021年11月29日月曜日

【福良港(兵庫県南あわじ市)に設置へ】日立造船、国内2例目の海底設置フラップゲート製作

 

 日立造船は堺市西区にある堺工場で26日、福良港(兵庫県南あわじ市)に設置する「フラップゲート式水門」を公開した。県が整備している湾口防波堤で使用。津波や高潮が発生すると海底に沈めた扉体が浮力で起き上がり、港の開口部を閉鎖する。12月中旬に堺工場から福良港まで海上輸送し設置工事に入る。同じ形式の水門は岩手県の大船渡漁港(大船渡市)に設置している。

 県が2019年に発注した「福良港煙島水門設置工事(機械工)」の受注額(税抜き)は23億円。水門は純径間25メートル、有効高11メートルで2枚の扉を備えている。直接基礎で海底に固定。函体内にコンクリートを打設し、自重で津波や高潮に対応する。20年4月に工事着手した。来月中旬に総重量3800トンの水門本体を福良港まで約80キロえい航し、クレーン船で据え付ける。工事完了は来年3月25日を予定する。

 水門は海底に倒れた状態で函体に扉体を格納している。津波などが発生した場合、係留フックを解除すると2~3分程度で扉が起き上がる。緊急時は人為操作なしで自立閉塞(へいそく)する。景観に影響がなく船舶なども航行できる。扉体の設置枚数を増やせば長径間のエリアが守れる。

 同社の鎌屋明執行役員は「南海トラフ巨大地震や首都直下型地震などの発生が予想されている。海底設置型フラップゲート式水門は防災・減災のための設備として貢献できる」と話した。

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