「難しいけれど、楽しく勝てるようこだわりたいです」。強豪に大敗した後、近所の少年サッカーチームの若いコーチが小学2年生の選手の保護者に話していた▼「育成のためと割り切れなくて」「楽しさは笑顔だけでなくて『夢中に』という意味も込めてます」。次の試合会場の学校が選挙の投票所になり、場所の変更を伝える会話がいつの間にか育成を巡る重いテーマの議論に。目を真っ赤にして小さな選手の未来を語った言葉に感謝の輪が広がった▼4年ぶりの国政選挙が終わった。SNS(インターネット交流サイト)の利用が一段と活発になったり、建設業団体が候補者の政策を紹介した上で「政策ベース」の投票を呼び掛けたりと、さまざまな動きがあった▼「政治を取り戻す」。強い言葉も飛び交った選挙戦。多くの議席を得た政党も評価を下げた政党も掲げた公約と、票を誘うかのように候補者が発したメッセージは枚挙にいとまがない▼政治家もコーチもより良い未来をつくる役割を担う人たち。有権者は票を保護者は子どもをそれぞれに託した。預けて終わりにはせず、期待を込めて言動と行動を見守りたい。
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