国土交通省は埼玉県八潮市の道路陥没事故を受け、全国で実施した緊急点検の結果を公表した。14日の閣議後会見で中野洋昌国交相が明らかにした。点検対象は7都府県13流域の下水道管理者。このうち埼玉県内の3カ所で腐食などの異常を確認した。路面下調査では空洞は見つからなかった。点検結果を踏まえ事故原因とされる下水道の点検手法見直しなどを議論する有識者委員会を立ち上げ、21日に初会合を開く。
八潮の道路陥没事故は、下水道幹線の破損が原因とされる。国交省は処理水量日量30万立方メートル以上の下水処理場に接続する口径2メートル以上の管路を対象に緊急点検を要請。対象は管路約420キロとマンホール約1700カ所に上った。
点検の結果、埼玉県内の新河岸川水循環センター(和光市)に接続する下水道管路3カ所で異常が見つかった。マンホールと管路部分の段差が1カ所、マンホール内壁の腐食で鉄筋が露出している部分が2カ所あったという。
国は県に対し速やかに対策工事を実施するよう要請した。県は段差部分の修繕工事に着手。マンホール内壁腐食の箇所でも応急措置を準備している。新河岸川水循環センターは荒川右岸流域下水道に接続する10市3町の下水を受け入れている。
路面下空洞調査はこれまでに全体約390キロのうち約320キロが完了。下水道が原因と思われる空洞はなかったものの、その他の原因による緊急度の高い空洞が6カ所見つかった。
内訳は埼玉県2カ所、東京都1カ所、神奈川県1カ所、奈良県2カ所で、いずれも緊急補修工事を進める。点検が完了していない埼玉、千葉の両県でも調査を急ぐ。
国交省は21日、有識者委員会の初会合を東京・霞が関の同省で開く。委員長には家田仁政策研究大学院大学特別教授が就く。再発を防ぐため、下水道管路の点検手法見直しを議論するほか、大規模な道路陥没の恐れがある地下管路の施設管理の在り方も検討していく方針だ。
中野国交相は会見で「議論を踏まえ大規模な陥没事故防止に向けて必要な対応をしっかり検討、実施していく。さらなる点検についても必要に応じて検討していきたい」と述べた。
from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=171475
via 日刊建設工業新聞


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