2025年2月12日水曜日

回転窓/観光資源の雪と山

 今月に入り、この冬一番とされる強い寒気の影響により日本海側など広い範囲で大雪が続いた。災害救助法が適用された地域もあり、被害がこれ以上広がらず一日も早く日常を取り戻したい▼時に災害をもたらす雪だが、普段は観光資源としての役目も果たす。神社仏閣や庭園などに降り積もる雪は風情があり、外国人向けの雪をテーマにしたツアーも盛況だという▼自宅から眺める富士山の雪化粧が裾野付近まで伸び、青く澄み切った冬空にひときわ映える。先日、電車内でインバウンドの一行が車窓から見えた富士山に歓喜の声を上げていた。その中には浮世絵師・葛飾北斎の「冨嶽三十六景」に関する書籍を抱えている方も▼海外でも富士山は日本を象徴する山としてダントツの人気を誇る。夏の富士登山は国内外から多くの人でにぎわう一方、「オーバーツーリズムの象徴」といった負の側面も深刻化している▼「富士は眺める山」と会社で登山好きの先輩が話す。山頂まで荒涼とした砂地や岩場が続き、登るよりも遠方から景色を楽しむに尽きるのだとか。楽しみ方は人それぞれだが、迷惑行為は控えなければならない。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=171340
via 日刊建設工業新聞

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