2025年2月12日水曜日

国交省/道路の被災や事故を生成AIで検知高精度化、迅速な初動対応に寄与

 国土交通省は生成AIを活用し、道路や河川などのインフラの異常事象を高精度に自動検知するシステムの開発に着手する。道路が被災したり事故が発生したりした場合に、監視カメラの映像から異常を判定するAIシステムの精度向上などに生成AIを用いる。目視での確認を必要とせず、事象発生を即座にアラートで道路管理者に知らせる仕組み。通行止めの判断や維持工事を担う建設会社への連絡といった初動対応の迅速化につながりそうだ。
 内閣府の「研究開発成果の社会実装への橋渡しプログラム(BRIDGE)」で2024年度補正予算措置分の対象施策に選定。予算額2億56百万円が配分された。 
 国交省は防災・減災、国土強靱化の一環で、緊急輸送道路などで監視カメラの増設を進めている。一部の地方整備局ではカメラ映像を分析するAIシステムを試験的に導入。スタックで立ち往生した車両の早期発見などに役立てている。初動対応の効率化に加え、目視が要らず省人化にも効果が高い。
 ただし蓄積したデータが少ないとAIシステムの判定にブレが出る。そのため生成AIでシミュレーションを無数に行うことで不足するデータを補完する。技術開発では生成AIが判断や予測を誤ったり不適切なデータが混ざったりするリスクも考慮する。トンネルを実証フィールドに精度向上に取り組む方針。トンネルはカメラ台数が多く映像で全体をカバーでき、気象などの影響も受けないため実証には最適だという。
 排水機場のポンプ設備の故障や障害につながる異常事象を前もって検知するAIシステムの開発にも生成AIを活用。設備の劣化状況を見極め更新優先度の把握や設計に生かす。インフラ管理用に全国で整備している通信ネットワークの最適な管理にも用いる。
 一連の実証には土木研究所と国土技術政策総合研究所が参画し、生成AI関連システムの開発とリスク評価に当たる。関連業務を民間に委託する手続きも年度内に始める。実証成果は25年度末までにまとめる予定。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=171332
via 日刊建設工業新聞

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