大成建設と大成ロテックは、福島県田村市で次世代舗装技術の開発や環境課題の解決などに取り組む新たな研究施設を開設した。国内民間企業で初の「舗装評価路」(1周延長909メートル)を整備し、24時間連続で5台の自動運転荷重車両(自動運転レベル4相当)を同時走行させることによって舗装の耐久性を短期間で評価する。今後はゼロウオータービルとなる「自然共生型管理棟」も整備。舗装評価路の内側と外周部の造成地には「ネイチャーポジティブ実証フィールド」も配置し、自然再生の長期実証に乗りだす。
所在地は田村市常葉町山根宇藤1の9。敷地面積は約14・4ヘクタール。施設は▽延長100メートル直線区間2本を含む舗装評価路▽5台の自動運転荷重車両を格納・整備するS造平屋870平方メートルのトラックヤード▽給油機1台と1万リットル地下タンクを備えた給油施設▽ゼロウオータービルと木架構汎用(はんよう)化技術の実証施設を備えたW造2階建て延べ585平方メートルの自然共生型管理棟-などで構成する。
舗装評価路では、レベル4相当の自動運転荷重車両(最高速度40キロ)を5台同時に走行させ、短期間で舗装用材料や構造の耐久性を評価。理論設計方法の検証や舗装材料の力学試験結果などから耐久性を予測する手法確立に向け実証実験などを行う。耐久性を向上させ舗装のライフ・サイクル(LC)全般で二酸化炭素(CO2)排出量削減にも貢献できるとみる。
自然共生型管理棟は2026年度に供用開始を予定する。雨水や再利用水などの活用によって上水利用量との相殺を目指すゼロウオータービルとして整備することで、将来的に上下水道インフラが十分整備されていない地域への普及を視野に入れる。
ネイチャーポジティブ実証フィールドでは、舗装評価路内側に希少生態系の半自然草原を創出。同外周部では地域の種苗を用いて質の高い自然の森を早期に創出する。さまざまなネイチャーポジティブ関連技術に役立てる。
田村市で開設した大成建設グループの新研究施設は、国内初のゼロカーボンビルを建設している「大成建設グループ次世代技術研究所」(埼玉県幸手市)プロジェクトに続く取り組みになる。
from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=171221
via 日刊建設工業新聞


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