NY・ウィールの完成予想図 |
かつて遊園地の花形だった観覧車。広大な用地が不要なこともあり、今では都心の複合施設などに併設される例が増えている。集客の目玉として、またグローバル都市の象徴として、その需要は衰えていないようだ。
世界初の機械式観覧車が誕生したのは、1893年の米シカゴ。以来、各地で競うように観覧車が建設されてきた。高さは元祖の80メートルから、米ラスベガスに昨年開業したハイ・ローラーの168メートルにまで到達。エンジニアリング技術の進化を背景に高さ競争が過熱している。
日本では1990年代に、天保山大観覧車(大阪市、112・5メートル)やパレットタウン大観覧車(東京都江東区、115メートル)などが登場し、相次いで記録を塗り替えた。2000年代に入り、世界一の称号は英ロンドン、中国、シンガポールと変遷。現在の世界最大ハイ・ローラーを間もなく追い越すのは、同じ米国のニューヨーク・ウィールだ。
計画では、スタテン島北部の再開発地区に高さ190メートルの巨大観覧車を建設する。完成予定は17年。周辺に建設される商業施設などとともに新たな観光名所になると期待されている。
設計・施工は観覧車専門エンジニアリング会社、オランダのスターネスが担当する。太陽光発電などを利用する環境に配慮した設計で、建築物の環境性能認証制度「LEED」で最高ランクのプラチナムを目指している。
同社はロンドン・アイの建設を担当したエンジニアが中心となって設立した企業。現在、アラブ首長国連邦のドバイなど世界各地で観覧車の建設を手掛けている。建設中のドバイ・アイは高さが200メートルを超えるといわれており、完成すれば世界最大となることは確実だ。
0 comments :
コメントを投稿