神戸市立科学技術高校(中央区)が、日本伝統の漆喰(しっくい)塗りの体験授業を行った。
世界遺産・国宝姫路城(兵庫県姫路市)の「平成の大修理」で左官工事に従事した真改工業(同)の高嶋靖生氏を講師に招へい。日本工科大学校(同)の教諭と左官職人コースの学生が科学技術高校を訪れ、コテ使いの指導を受けながら匠の技を学んだ。
授業は、左官の魅力を知ってもらおうと、科学技術高校が昨年に引き続いて実施。日本工科大学校都市工学科で建築を専攻する2年51人が参加した。
日本工科大学校の森本徹之教諭が「漆喰は消石灰と繊維状のすさ、のり、砂、水を混ぜ合わせて作られている。火にも強く、防火の役割も果たしている」などと説明した後、まずは左官職人コースの学生4人が材料の練り混ぜに挑戦。次ぎに漆喰塗りに不可欠な技「コテ返し」を学んだ。
漆喰をコテの上に載せるだけだが、ほとんどの学生はうまくいかず、高嶋氏らが簡単に載せている姿を見てびっくり。上塗り体験では、剥がれ落ちないように注意深く作業に打ち込む姿が見られ、平らに仕上がった出来栄えに満足する学生もいた。
授業に参加した岸上達哉君は「平らに塗るのがとても難しかったが、だんだん楽しくなってきた。少し興味がわいた」と笑顔で話した。
昨年の授業をきっかけに16年春卒業予定の女子学生が左官業の就職を決めた。同行した兵庫県左官工業協同組合の嶋田弘之理事長は「職人体験の機会は年々増えている。1人でも多くの若者が就職先に左官業を選んでほしい」と期待している。
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