2015年11月25日水曜日

【回転窓】伝統の胴長短足

最近の若い人たちは大抵、手足がすらりと長い。スタイルの良さはうらやましい限り。翻って、旧世代に属する当方は典型的な胴長短足。近ごろの既製服は若い世代の体形に合わせて作られるのか、体にぴたりとこないことが多い▼胸囲や胴囲に合わせると袖や裾がだぶだぶ。逆に、袖や裾の長さに合わせると首や胸・胴回りが苦しくて着られない。そんな悩みを持つご同輩は案外多いのではないかと推察する▼先日、縄文人も胴長短足だったとの研究成果を国立科学博物館などの研究グループが発表した。縄文人は肘や膝から先の骨が長いとされてきたが、全国の遺跡で出土した骨を詳しく調べた結果、北東アジアから渡来した弥生人と同じ胴長短足だったとみられることが分かったという▼寒冷地では体温放出を防ぐために胴体に対して腕や脚が短くなる傾向があるそうだ。縄文人は南方が起源とする従来の説が変更を迫られる可能性もあるらしく、興味深い研究成果である▼縄文人も弥生人も胴長短足なら、わが胴長短足も致し方ない。既製服の不便はさておき、由緒正しい伝統体形として胸を張ることにする。

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